Vol.2|2026年最新トレンド 〜カラーと素材、境界線の融解〜 一脚、一枚から始める。ミラノの『いま』をまとう色づかい」
ミラノサローネ2026レポート、第2回をお届けします。
今回は、会場全体を彩っていたカラーと素材の潮流に深く踏み込んでいきます。
デザインの表面的な美しさだけでなく、「なぜその色が、なぜその素材が選ばれたのか」という背景にある思想と技術を読み解くことで、トレンドの本質が見えてきます。
まず、今年のサローネで最初に目を奪われたのは、空間全体を包み込む「色の温度」でした。
テラコッタ、オリーブ、アプリコット。



これらのアースカラーが、ソファのファブリック、ダイニングチェア、ラグ、そして壁面へと広がり、会場のあちこちで「大地」のような安心感と活力を生み出していました。
テラコッタの温かみのある赤みがかったブラウンは、素焼きの陶器を思わせる素朴さと品格を兼ね備え、空間に「根を張る力」を与えます。
オリーブグリーンは観葉植物の葉と自然に響き合い、室内に柔らかな生命感をもたらします。
アプリコットのような淡いオレンジは、朝の光のように部屋全体をやさしく上気させ、過ごす人の気持ちを前向きにする効果がありました。
一方で、会場の別のゾーンでは、まったく異なる宇宙観が展開されていました。
「スペーシー(宇宙的)」な世界観です。



Orillo、Obergine、Nuvolaといった詩的なネーミングのファブリックは、まるで星雲のような奥行きとグラデーションを空間に生み出し、見る角度によって色味が微妙に変化する繊細なニュアンスが、見飽きない美しさを宿していました。
足元はテラコッタで大地をしっかりと踏みしめながら、視線の先にはグレーとブルーの宇宙が広がっていく。
「地球と宇宙のあいだに立っている」ような感覚は、2026年という時代が持つ独特のムードと深く共鳴しています。
素材の面で今年最も革新的だったのが、「インドアとアウトドアの境界線の消滅」です。


インドア用と同一のモールドウレタンを、高度な防水・耐候性生地で包み込むという技術によって、テラスや庭に置いても、リビングに持ち込んでも違和感のない、まったく新しいカテゴリーの家具を実現していました。
この「中間の部屋」という発想は、日本の縁側や土間の現代的な再解釈とも言えます。
ベランダとリビングの境界をゆるやかにつなぎ、植物や光、外の空気を取り込みながら過ごす豊かさ。
その心地よさを支える家具が、ようやく技術的に追いついてきた瞬間を目撃した気がしました。
さらに、今年のサローネで注目を集めたのが、「異業種とのクロスオーバー」です。

Cassinaが発表したアイウェアブランド「Persol(ペルソール)」との限定コラボレーションでは、精密なフレームワークと光の反射のコントロールが家具のディテールに取り入れられ、異なる分野のクラフトマンシップが交差することで生まれる、新しい陰影と輝きを見せてくれました。
そして、ここで一つ嬉しいお知らせがあります。
こうしたトレンドのエッセンスは、大がかりな模様替えをしなくても、今日からすぐに取り入れることができます。
テラコッタのクッションカバーを一枚加えるだけで、リビングの空気感はぐっと変わります。

オリーブのスツールを窓際に置けば、光の入り方まで変わって見えます。
ニュアンスグレーのフラワーベースにドライフラワーを一輪飾れば、そこにはもう、ミラノの空気が漂い始めます。


トレンドのテラコッタやオリーブ、洗練されたニュアンスカラーは、大がかりな模様替えをしなくても、クッションカバーやスツール、1点のフラワーベースを取り入れるだけで、今の空気感を纏わせることができます。
Cofel(コフェル)が今季おすすめする、ミラノの息吹を感じるカラーアイテムたちで、あなたの日常に新しいインスピレーションの種を蒔いてみませんか。