Vol.1|サローネで得た刺激 〜家具レイアウトのパラダイムシフト〜 「余白が主役になる部屋へ。ミラノで見た、暮らしのレイアウト革命」
2026年4月、春の陽気に包まれたミラノ。
フィエラ・ミラノの展示棟に足を踏み入れた瞬間、今年のサローネが発する力強いメッセージが空気ごと伝わってきました。
「リビングは、もう"壁"のための空間ではない。」各ブランドのブースが、まるで一つの意思を持っているかのように、同じ方向を向いて語りかけてくるのです。
かつて、家族が集まるリビングには「テレビを中心に、ソファは壁を背にして配置する」という、ほぼ絶対的なレイアウトの文法がありました。
家族全員が同じ画面を共有するために生まれた、合理的な答えでした。しかし今、私たちの手の中にはそれぞれのデバイスがあります。
1人1デバイスが当たり前になった現代において、リビングはもはや「テレビを見るための部屋」である必要はなくなったのです。
では、リビングは何のための場所になるのか。今年のミラノが示した答えは、「過ごし方を自由に選び、編集できる舞台」でした。
その象徴として会場で圧倒的な存在感を放っていたのが、Time & Styleと大城健作氏が手がけるモジュールソファ「Traverse(トラバース)」です。

日本文化に根ざした「余白」と「間(ま)」の思想を、現代のリビングという舞台に翻訳したこのプロダクトは、見た瞬間から「ああ、これだ」という確信を与えてくれました。
「余白」は、空白ではありません。何かが起こる可能性を内包した、もっとも豊かな空間です。
Traverseは、その余白をあらかじめ設計の中心に据え、背もたれや肘掛けを最小限に抑えたユニットを、L字に、対面に、斜めに、あるいは大胆にバラして散りばめることで、人と人との距離や視線の交わり方を自由に編集することを可能にします。
「リビングはこうあるべき」という固定観念を、押しつけがましくなく、ただ静かにほどいていく力がありました。
そして今年のサローネを通じて強く感じたのが、「部屋の中心にソファを置く」という提案の広がりです。
多くのブランドが、ソファを壁際から離し、空間の中央に島のように配置するスタイルを打ち出していました。

壁際が解放されることで、収納やアート、グリーンのための空間が生まれ、ソファの周囲に「歩けるゆとり」が生まれます。
その余白が、空間全体に呼吸をもたらすのです。
フォルムの面でも、今年は際立った傾向がありました。



角を落とした丸みのあるシルエット、流れるようなカーブを描くアームレスト、ユニット同士がなめらかにつながるラウンド曲線。
直線で空間を切り分けるのではなく、曲線でそっと「にじませる」デザインは、人の動線を自然と柔らかくし、座る場所も立ち上がる方向も、心地よく自由にしてくれます。
ユニットタイプの家具の多用も印象的でした。

買い足せる、組み替えられる、家族の変化に合わせて育てていける。
家具が「完成品」ではなく「進行形のパートナー」として存在している感覚は、常に成長し続けるぷにぷにさんのような経営者の方々にも、きっと共感していただけることでしょう。
1人1デバイスの時代のリビングは、「一つの方向を向く場所」から、「それぞれの時間が豊かに共存する景色」へとシフトしています。
本を読む人、仕事をする人、子どもと遊ぶ人、音楽に身を委ねる人。
それぞれが自分の時間に没頭しながら、ふと顔を上げると同じ空間に誰かがいる。
そんな新しい距離感を、Traverseのようなモジュールソファが、やわらかく支えてくれるのです。
ミラノで体感したこのパラダイムシフトは、遠い国の話ではありません。
今日、あなたのリビングのソファを壁から少し引き離してみるだけで、空間はまったく違う表情を見せてくれるはずです。
私たちのリビングも、もっと自由であっていいはず。
Cofel(コフェル)では、こうした「部屋の中心でフレキシブルに使えるソファ」や、空間に余白と美しい「間」を生み出すデザインの家具をセレクトしています。
あなたらしい自由な暮らしの舞台を、一緒につくってみませんか。